Philippe Wittenbergh images – 1

Poèmes photographiques

Les Errances (1997–1999)

月影の下の放浪 - wandering in the shadow of the moon

Les Errances

[image] - Errances #88 image - Errances #84

「Errances à l'ombre de lune」[月影の下の放浪]は記録であり、道標であり、旅の足跡である。それは庭園を語り、出会いを語り、半ばまで開かれたドアを語る。異なりながらも類似した「彼処」を、何処かを、ある他の場所を探究する。自身が内側に存在しているのか外に在るのかは定かではない。そこでの出会いに明確な輪郭付けを行なうことには疑問を抱き、いずれかは処を移すことに気付いている。それらを通して、旅人であり、語り部である作者は文化の断片の時空に居ながら存在し続ける。何かが、自身のイメージや語りの中に滑り込み、変化しながら転化していく。月影の下や他の要素、不可視でありながらも重要な事物が反映されていく。

'97年12月 フィリップ・ウイッテンバーグ

Paysages (landscapes)

[image] Errances #56[image] Errances#7 [image] Errances #546

生命に満ちた世界を旅しながらイメージから飛び出す叫び。背後で奏でられるのは沈黙の旋律。「Errances à l'ombre de la lune(月影の下の放浪)」は「旅」のシリーズ写真である。しかし、そこには美しい自然の風景や建物というものはない。存在するのは枯れた花、花瓶の影、鏡、粉々になったグラス、毛髪、人の存在の名残、水の滴、砂、……光。

そこには遭遇があり、不安がある。発見への試み。何かが作品の中へ、その物語の中へと滑り込む。月影の下で、目には見えないが、とても重要なエレメントが映し出されるのを感じとるのだ。

しかし、語り手は(私の全ての作品に言えるのだが)光である。光と影(輝度から見た光ではなく闇と深く愛し合う光である)から生まれるリズム、虹に反射する隠れた旋律。光の不在や光の暗示、そしてそれを映し出すこと、すべては光によってである。詩人の感性へと注がれた光がもたらしたものがこれらの作品である。静かな池の水面や秋の夜の暗闇に映し出される苦悩。「Errances(放浪)」は思い出と反映の断片から成り立っている。イメージが不可視な遭遇の次元や存在の可能性の対話の中を旅しているのだ。

はっきりと定義することのできない光の空間を放浪しながら何処かへと向かう。「Errances(放浪)」は作家と観る側が後退、そして前進することで、現実という舞台の空虚さの奥深くにある空間を発見し、押し開いていくイメージの迷宮である。特に、ここで紹介する5点は抽象詩であり、夢の限界における沈黙(道を覆い隠した水との境界線のような)である。しかし、また、長い夜への期待でもある。夢に問いかけながら…。

1999年10月 フィリップ ウイッテンバーグ
(原文:フランス語)